はらり、ひとひら。
「貴女の名前は?」
綺麗なストレートの長髪。背中から生えた白い翼がとても綺麗で、天使のような風貌だ。
「天音という」
「あまね…」
綺麗な響き、と素直に思う。いつも思うけど、妖の名前ってとても綺麗だ。人の名前を付けるのは、その人を生んだ親や周りの人だけど…妖の名をつけるのは、誰なんだろう。
「巫女であるお前様に、折り入って頼みたいことが。友人を助けて欲しいのだ」
「友達?」
「私の大切な友人なのだ。そいつは今とても苦しんでいる。どうか、助けてくれぬだろうか」
声はとても落ち着いていた。それでも滲む焦りの色に、友達を想うのは人も妖も変わらないな、と頷く。
「その友人は今どこに?」
「それは─」
「ううん…?」