はらり、ひとひら。
「じゃあ、話もあると思うけどそろそろ俺たちも帰ろうか。送って行くよ」
「ありがとう」
なんだか照れくさい。自分の頬に赤みが差したのが嫌でも分かる。恥ずかしくて、破顔していると天音がひとつ咳払いをして呟く。
「悪いが、お前の家に暫く居候させて貰うぞ。話すことがあまりに多い」
天音の澄んだ目は、思っていた以上に優しい色だった。
「分かった。一緒に帰ろう、天音」
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分かれ道で神崎くんに手を振り、背中を見送った後天音と薄暗い夜道を歩いた。今日は朝から色々ありすぎて、目が回ったなあ…
だけど、飛鳥が目を覚ましてくれて、本当に良かった。
「友を想うのは人も妖も一緒か」
突如響いた、寂しげな声にどきりとする。心を見透かされた気分だ。