はらり、ひとひら。


「頼む。どうか、そのお力を貸して頂きたい。大切な私の、唯一無二の友人なのだ…!」


天音は額を畳に擦りつけ、長い髪が床に散らばる。


「どうか、どうか…!」


彼女は震えていた。体はおろか声すら。胸の奥が抉られるように痛む。


「師匠っ…」


お願い、と私も頭を下げる。諦めたようにひとつため息。


「…付き合ってられん。もう勝手にしろ」


「ありがとう。師匠」


ふわふわをきつく抱きしめる。顔を上げ潤んだ目で笑う天音はとてもきれいだった。




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