はらり、ひとひら。
捕まるようにして眠りへ落ちた私。
『ふふ、ふふふふ…』
あぁ、またこれだ。
ゆうべみた夢に居た、飛鳥を捕らえていた真っ黒い妖。おそらく天音じゃない。その証拠に飛鳥はいないし。
今度は一体何だ。
『んんう?』
闇に溶けてしまいそうなほど全身が真っ黒いのに、ぎらりと光る真っ赤な瞳だけが異質だった。動けずにそれを凝視していると視線がかち合う。
『見たな…私を見たな』
ゆらりと揺れながら、手が伸びる。強い力で抗えない。動けない。
『生意気な人の子よ、喰ってやろう』
「─っ」