はらり、ひとひら。
聞いたところで答えはない。
『喰う、皆、食ってやる!』
「─上等」
耳障りな悲鳴。早く常世へ戻ればいい、そう思った。
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【杏子side】
「杏子」
「ただいま、天音」
ここに居たんだ、と言うと彼女は頷き木から降りて来る。
学校のすぐ近くの並木道の、1本だけ少し大きい木にもたれるようにして天音は座っていた。
「杏子。話を聞いてくれるか?」
「ん?いいよ」
なるべく大声で返事をしないように心がけ、木漏れ日の落ちる並木道をゆっくり歩いた。