はらり、ひとひら。
「よしっ。痛む?」
「苦しいぞ」
拭ってもあまり血がとまらなかったからとりあえずぐるぐる包帯巻いてみたけど…凄い不満そう。
「こんなことしなくても妖は平気だ。舐めておけば治る。寧ろ…動きにくいぞ」
「あ、こら!触らないの。安静にね」
「馬鹿なのか…」
あしらって、よしよしと頭を撫でる。気持ちよさそうに目を閉じたので、私もつられてうっとりとなってしまう。師匠、ほんとに猫みたい。
「天音?どうしたの、顔色が」
「…いや。今日は色々あって疲れてしまったようだ。すまん、先に休ませて頂く」
「えっ…ああ、うん。ゆっくり休んでね」