はらり、ひとひら。


天音は瞼を閉じ、俯いて部屋の隅に横になる。寝息がかすかに聞こえ始めた頃、静かに毛布を掛けた。


「師匠もけが人だし、早く寝て。ご飯は?」

「今日は要らん」

「そう?じゃあ先に寝てていいよ。私もちゃっちゃとご飯食べてお風呂入って寝るから。私もなんか、今日疲れちゃったし」


つとめて静かに部屋を出た。


なんだろう。胸に、わだかまりが出来たような感覚がする。いや、わだかまりというよりは、胸がざわざわするといった方が正しいのかもしれない。


ぎゅっと、唇を噛み締める。


駄目だ、焦るな。弱気になるな。


明日から土日で休みだし、天音の為に東雲を早く探してあげなくちゃ。



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