はらり、ひとひら。
「ようやく決心がついた。明日、杏子にも全てを話そうと思う。私の友人は私が責任を持って終わらせよう」
「そうか」
「私はきっと、助からない。けれど東雲も一緒だ。あいつの最期は私の最期。友人を独りで旅立たせるわけにはいかないからな」
笑んだ天音の眼にはもう、迷いはなかった。
死なばもろとも、か。
「見届けよう」
「ああ」
もうじきそばに、漏らした天音の呟きはあまりに悲しい音だった。