はらり、ひとひら。


「ようやく決心がついた。明日、杏子にも全てを話そうと思う。私の友人は私が責任を持って終わらせよう」


「そうか」


「私はきっと、助からない。けれど東雲も一緒だ。あいつの最期は私の最期。友人を独りで旅立たせるわけにはいかないからな」


笑んだ天音の眼にはもう、迷いはなかった。


死なばもろとも、か。



「見届けよう」


「ああ」



もうじきそばに、漏らした天音の呟きはあまりに悲しい音だった。


< 556 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop