はらり、ひとひら。
「灯雅。どうして家に?」
「主君の頼みだ。どうも今別の依頼が入って手が離せないそうだから、私が代理で来た。…邪鬼が出たのは知っているね?」
「うん」
邪鬼、と聞いて天音の不安そうな視線。
「その恰好、森へ行くのかい?だったら丁度いい。手伝ってくれないか」
手伝う。ということは─
「邪鬼を手っ取り早く祓ってくれ。もちろんただでとは言わない」
あぁやっぱり、と言葉を呟くより先に天音が灯雅に声を上げた。
「やめてくれ。それの邪鬼は私の友人だ。手出しはしないでくれ」
「ん?誰だいあんた」
そういえば初対面だった。