はらり、ひとひら。
「っ…人の話を」
聞け、と言いかけたところで相手のペースに乗せられていることに気が付く。不本意極まりない。
「私は東雲。貴女の名前を教えてくれない?」
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「天音かあ。綺麗な響き。…ねぇ、貴女はどうして独りなの?」
「群れるのが嫌いだからだ。だからお前もさっさと他へ行け。そもそもお前は何故私に構う」
「私も独りだからよ」
寂しそうな声にはっとする。
「独りぼっち同士。友達になりましょうよ」
ふふ、と笑う声にああ、まぶしいと思う。透明で美しく、儚い。
「…くだらんな─」