はらり、ひとひら。
病は私の身体を蝕み続けた。
焼け付くような痛みに息すらままならない。命の蝋が尽きるのも時間の問題だ。
この瞳に貴女の姿を…大切な友の姿を、焼き付けておかなければ。
「東雲。病を治す薬草がこの森のはずれにあるらしい。とても珍しいもので見つかるかわからないが、暫く探しに行ってみる」
え…?薬草…?そんなもの今更使ったってだめだ。
もう病は治らない。それならせめて傍に居て─。
最期まで、傍に居てよ。
唇は上手く動かない。伝えたかった。ここにいてと。
心の中、名前を必死に呼び続けた。
でも─天音に私の思いは届かなかった。