はらり、ひとひら。
「え、これいつ…?まさか、徹夜で探してくれたんですか?」
ゆうべ師匠が居なかったわけはもしかしてそれ?師匠に直接訊ねようとしても、静かに寝息を立てている。
「妖たちには夜通し頼んだ。俺たちは早起きして採って来ただけだよ」
「そうそう。白狐に頼まれたんじゃ断るわけにもいかないさ」
「貴様余計なことを言うな」
すかさず文句を言う師匠に灯雅は「おお怖い」と笑う。
「師匠…心配してくれたんだね」
「ふん。そもそもお前が弱いのがいけないんだ」
「うん。ごめん、でもありがと」
額の辺りを撫でると喉の鳴る音。心がじわりと温い。
「神崎くんも先生も…灯雅も蛟も雪路もみんな、ありがとう」