はらり、ひとひら。
恵まれすぎて怖いと思う。本当にいい友達ばかりだ。
見えるひと、見えないひと。どうしてもそこで分断されてしまうけど。私は人と妖を繋げる架け橋になれないだろうか。
姿は違えど誰かを想う心はみんな同じではないだろうか。命あるものならすべて。
自分のために無償で動いてくれる。傍に居てくれる。支えてくれる、助けてくれる。
恋人のように証もしばるものもないけど、大切にしたいと思うのが友人だろう。
不意に畳の上にひとつ残っていた羽根が目に入る。それを手に取り、私は窓を開けた。
「椎名さん?」
「…忘れ物だよ、天音」