はらり、ひとひら。


ぶるっと身を震わせそのまま妖は叫ぶ。


「修羅の血の巫女…!お覚悟されよ!」


肩がとれそうになるくらい掴まれる。


「わああ!?いきなり何っ」

「落ち着け阿呆ども」


またまともに妖は師匠の攻撃を喰らって頽れた。なかなか学ばない子だなあ…というか「ども」って何。私も含まれてる!?




「ふう…失礼致しました。巫女、いいえ椎名杏子さまとお見受けしまする。霊力の強い貴女様にお頼みしたくやって来た次第です」


力じゃ敵わないと悟ったんだろう。妖はいきなり礼儀を正してぺこりと、座ったまま床に手をついてお辞儀をした。面食らう。


「頼みごと?」


最近多いなあ。私って妖の間じゃ有名だったりするんだろうか。


「当たり前だ」
「はい」


二人して即答ね。それより頼み事は一体なんだろう?




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