はらり、ひとひら。
「人が妖に…そんなこと、ありえるのか」
信じられない、と言いたげな目の琥珀をざくろさんは前もって予想していたのか、そうだよねと頷く。
私も正直、同じだ。今までそんな話、見たことも、聞いたこともない。
「黄泉がえりか」
短い師匠の言葉に気づいたざくろさんはこくりと頷く。
「あなたたちは…」
「初めまして。椎名杏子です。琥珀のお手伝いをしていました、この白いもふもふは師匠…じゃなくて、白狐」
「お手伝い、って…じゃああなたが出口を繋いでくれたんだ?」
嬉しそうに身をのりだすざくろさん。
「出口?」
「そう。櫛が言ってたの、『自分は入口は作れるけど、出口までは案内出来ない。申し訳ないけどほかに誰か、開けてくれる人を探して頼め』って」