はらり、ひとひら。
「待ってください、話が見えません。そもそも黄泉がえりってなんですか?」
根本的にこれがまずよくわかっていない。話にならないから、一から教えてもらおう。
「…私もよくわかってないんだけどね。わかりやすく言うと、一度死んだあとにもう一度妖になって生き返る、みたいなことを言うらしいのね」
「蘇る…ってこと?あ」
よみがえり、黄泉がえり。そういうことか。
「黄泉はあの世のこと。万物の魂の行きつく先、最果てだ。黄泉への入口はあちこちにあるが、普通人は意図して開けない。死んだら勝手に引っ張られるのが人、開ける力を有している妖は自由に開けられるし、自分自身が扉になれる」
死んだ魂がいく場所が黄泉ってことね。じゃあ、ざくろさんは一度亡くなったってことか。
「黄泉がえりの成功率は極めて低い。一度黄泉の国へ入ったあとにもう一度地上へ戻るなど、普通はありえない与太話だ。人の身ならば尚更。だが…」
「そう。私は戻って来たの。戻ってこれたの」
それはつまり─