はらり、ひとひら。
「ま、気合も入るよね。折角遠出するんだからさ」
見せる男いないけど、と飛鳥は悔しげに呟いた。秀君に見せればいいんじゃないかな、とは言えずに笑って返した。
「どうしても楽しみだと頑張っちゃわない?」
「わかるわーそれ」
「久しぶりに髪の毛なんて巻いたからなんか違和感ある。変じゃない?」
「確かに杏子、いつもストレートだもんね」
若干くせ毛の私は毎朝ストレートアイロンと格闘だ。直毛の飛鳥とか神崎くんが羨ましい。
「髪長いよね。杏子、今度あたしの髪も巻いてよ」
「もちろん」
毛先を触られながら飛鳥に言われ、くすぐったい。
そうこうしているうちにパンケーキが到着した。