はらり、ひとひら。
「うわっ!?」
いきなり肩を掴まれバランスを崩した私はその場に倒れ込んだ。
う、腰打った…!!
「だ、誰?」
「そりゃこっちのセリフさ。あーあーボロボロじゃないか。一体何が楽しくて岩叩いてんだい」
気でも触れたか、と笑いながら言われ脱力する。…誰だろう、この綺麗な大人のお姉さん。
着崩した着物が色っぽい。香の匂いは少しきついけど、なんだか安心する。
─もしかして、この人…力になってくれるんじゃないだろうか。
「暴れてる妖がいるって知らせがあって来てみれば…なんだい、ただの人魚ちゃんじゃないか」
「っ、お願い、助けて!!」
「ぎゃっ」
しがみつく。
「私元々は人間だったんです。お願い、元の体に戻る方法があるなら教えてください!」
「な…何言ってんの?」
話は聞いてくれそうだ。私はゆっくり、事のあらましをすべて話した。