はらり、ひとひら。
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「そりゃ本当かい?だとしたらそんな大掛かりな術、妖が使えるわけないよ」
「…え?」
彼女…淡島さんはどうやら、妖ではないらしく神様だそうで。
どういう神様なのか詳しく伺いたかったけど、それはあとでまたの機会に聞こうと思う。
ここには『暴れまわる人魚が恐ろしいから、どうにかしてくれ』という、体の小さな妖たちから通報を受けて様子見にきたらしい。
お騒がせして申し訳ない。
「待ってください、じゃあ澪は」
「いや。でも確かにアンタのその体から感じるのは妖気。妖で間違いない」
「…つまり?」
静寂を穿ったのは意外すぎる一言。
「人間が裏で手を引いてる、と思う」
「…!!」
そんな。誰が…
「あんた、近しい人間にそういう術に詳しい奴いないのかい?」
「術…」