はらり、ひとひら。
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【矢野side】
「くそっ本当にきりがないぞこいつら…!」
見慣れた校舎内を駆け抜けて親玉─この傀儡たちの親玉を探すも一向にそれらしいものは見当たらない。
「!雪路、怪我が」
「かすり傷です。…主様、この人形たちを壊すのは恐らく無理です」
腕を押さえながら、雪路は冷えた目で囁く。頭から冷や水でもかけられている感覚だった。
「生徒たちが」
「…はい。このままでは危険です。人形は壊されるほどに力を強くしています」
「一発のでかい攻撃でやるしかないってことか」
雪路は頷く。
「私が全ての人形を凍らせましょう。出過ぎた申し出とは思いますが、主様にはその」
「囮になればいいか?」
「はい。危険な役を押し付けてしまい…」
謝ろうとする彼女を手で制して、決行することに決めた。なんでもやる。いや、やらせてくれ。
これくらいしか役に立てなくとも、生徒を守るくらいは…
─ちりん。
「え」