はらり、ひとひら。


私が足を運ぶ先、関高築(せきたかつき)神社はこの町一番大きい神社。

住民の中には初詣として行っている人々が多いんじゃないだろうか。うちもそうだ。


それにしても、この町には神社がやたら多い。神社だけでなく、祠やお堂なんかも目立つ。どうしてだろう。何か昔、この町で怪物でも暴れてそれを鎮めるために建てたりしたんだろうか。



「あーっ…眠い」


あくびが止まらない。たまにはお母さんも海斗におつかい頼んだらどうだろうか。

…でも最近、勉強頑張ってるみたいだしなあ、と思いとどまる。塾もないこの田舎町、どこに勉強しに行ってるのか定かじゃないけどここは姉の私がやっぱり一肌脱いであげるべきだろう。


「えーっと…あった、ここだ」


石段の上にある鳥居が目印。綺麗に手入れが行き届いた庭。大きく鎮座する本殿と、横にあるのは社務所。


人影が見えないけど、流石に営業中だよね?いや、神職だから営業っていうのもおかしな話かもしれないけど。


「すみませーん…」





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