はらり、ひとひら。


双子にもいろいろあるものだ…


「おねーさんは今いくつ? 高校だよねその制服。襟の色違うし」

「高三です。3月で18になります」

「受験生かー」

「…今小さく『うわー』って言いませんでした?」


言ってない言ってない、千鶴さん朗らかに否定するけどしっかり聞こえましたから。


「就職?」

「まだ漠然としてるんですよね…そろそろ夏だし決めないとなんですけど」

「就職進学どっちにせよこの辺なんもないし、町出るしかないっしょ」


そうだよなぁ。…でもあんまり、この場所から離れたくないのが本音だ。


「まー焦らずゆっくり考えんしゃい。最悪俺が雇ってやってもいいから、巫女」


あんまし儲からないけどね、と千鶴さんは笑った。私までつられて笑う。


「ありがとうございます」


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