はらり、ひとひら。
デジャヴだ! と思ったら冒頭の千鶴さんを思い出して脱力した。さすがは兄妹。
「ちょっ近い月子ちゃん…!」
「お姉さん…いえっ─お姉さま、と呼んでもいいですか?!」
「……ええぇ!?」
どういうことなの。やめて杏子のライフはもうゼロだよ。頭が追い付いていかないよ。
うわ海斗の顔やばい、ドン引きしてる。月子ちゃん君はまだ若いんだからそんなに自ら失っていくものを増やさないで。お願い。
私の懇願むなしく、月子ちゃんはくりっくりの眼で縋るように私を見つめた。
「お姉さまと初めて会った時から薄々感じていたのですよね。この厳かな雰囲気、優美な立ち振る舞い…これは神職に身を置き、且つ崇高な神々からの恩恵を受けた者のみに見受けられるものです」
おかしい! おかしいぞこの子! 私の恰好をよく見て服を! ほぼジャージだよ!
「お姉さまは素晴らしい霊力をお持ちです。あぁっ、どうしたらそのような膨大な霊力を」
「す、ストーーップ」