はらり、ひとひら。


「ずっと…お友達が欲しかったんです。この神職という、一風変わった道を理解してくれる友達が…」


寂しそうな声に胸が詰まった。そういうことなら、お任せだ。


「じゃあぜひ私と友達になろう! 私も理解のある女友達、欲しかったの」

「…! いいんですか?」

「もちろん!」


沈んで伏せていた瞳がキラキラ光る。本当に小鹿みたいだ。


「ありがとうございますっ」

「はっはっは、苦しゅうない苦しゅうない」

「お姉さんっ」


─お姉さん?


むぎゅっと抱き着いて来た月子ちゃん。甘えるように胸辺りに頬をつける。…た、たまらない。何だこの可愛い生き物は…!

お姉さん。月子ちゃんの声が頭の中でこだまする。お姉さまの数倍良い、良すぎる。


「か、かわっ…妹できちゃった…!」

「ちょっと見てて暑苦しいんだけど。べたべたすんなよ姉ちゃん、キモい」

「うるさいよーだ。海斗の数倍月子ちゃんの方がいい子だもんねっ」

「はぁ!?」


悪態づく弟は相変わらずか。まったく野蛮な。
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