はらり、ひとひら。


月子ちゃんときゃーきゃー戯れつつ海斗のふてくされた顔をみる。ぷぷっ、なんて顔してんのよ。


「妬いてる?」

「…妬いてないっす」

「椎名さんと仲いいんだね」

「べ、別にそんなんじゃ」

机に頬杖をついて神崎くんは首を傾げた。海斗は負けじと言い返して、珍しいコンビの会話に頬が緩む。


「うおーい待たせてわりぃ…って何やってんだ月子」

「あ、来た」


いなくなってだいぶ経っただろうか。軽快な足音は千鶴さんのものだった。


「ちづ兄おそーい。えへへ、いいでしょ。お姉さんと仲良くなっちゃった」


するっと私の腰に手を回して月子ちゃんは千鶴さんにピース。

「あぁ!? ずりぃぞ俺も混ぜろ!」

「はいはい。兄さんは俺と壺の見繕いに早く行こう」

「あ? 野郎に興味はねぇ…ってわ、わかった行こう。落ち着け」


今にも抜刀せんばかりの勢いで神崎くんは愛刀を握っていた。千鶴さんの青い顔が面白い。
アグレッシヴな一面もあるんだなぁ。

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