はらり、ひとひら。


「す、すいません・・・っ」

顔がかぁっと紅くなって、俯く。


「ははは、元気がいいね。じゃあ、君から自己紹介してもらおう」


「えぇっ!?」


「はい、立って立って」


鞄の中で丸まってる師匠を睨みつけながら、私はしぶしぶ立ち上がる。


「椎名杏子です。趣味は、特にないかな…?あ、読書が好きかもです」

『嘘を吐くな阿呆』


うるさいな!師匠は黙ってて。という視線を向けたら師匠はそっぽを向いた。


「よろしくお願いします!」

うわあ、いたたまれない。恥ずかしくて頭ぐるぐるしてきたよもう、なんの拷問だよこれ。

ひとまず座ろうと、お辞儀をして思いっきり顔をあげると、その反動で窓に後頭部をぶつけてしまった。




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