はらり、ひとひら。
綺麗なミルクティー色の髪、透き通った明るい茶色の瞳、スラッとした長身。日本人離れした姿に目を奪われ茫然として、状況を理解するのに時間がかかった。
「…?これ、君のだよね」
いかんいかん、ぼーっとしてた。色白の彼の手には私が落としたハンカチが握られていた。
「ごめん、ありがとう!」
「いや」
えっと・・・誰だっけ?同じクラスにこんな感じの人、いたような気が…うんうんと記憶を蒸し返してみる。
その人は自分のローファーに手をかけ、履こうとした。
ああ、行っちゃう!思い出さないとっ。
「あッ、神崎(かんざき)君!…だよね?」
教室内でひときわ静かに自己紹介する人がいた記憶がある。確かなら、その人に彼はそっくりだ。
・・・あれ?はずれ?
すごいびっくり、って顔された。