はらり、ひとひら。


「なんで俺の名前を・・・?」


あ、あってた。不思議がっていたがすぐに神崎君は表情を戻す。


「ああ、そっか。同じクラスだよね」


「うん、そう。あっ、私の名前は・・・」


「知ってるよ。椎名さん」


だよね?と、綺麗に微笑んでみせる彼にどぎまぎする。うわ、モテるだろうな…なんていらない心配をしてしまう。矢野先生とは違うタイプのイケメン、って感じ。


矢野先生が蜂蜜だとしたら、神崎君は上質なお砂糖みたいな、違う域の格好よさ。「イケメン」より「美形」って言葉が似合う感じの。


「すごい目立ってたね。・・・頭、痛くない?」


「う・・・!へ、平気っ」


やっぱり見られてた!

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