はらり、ひとひら。
「人でなし~…」
「人ではない」
「揚げ足とるなぁー!」
このままご帰宅フラグが立ってしまった。これ、妖が見えない人から客観的に見たら私、宙に浮いてて最高に面白い状況になる気がする。
無念…とさめざめ涙を流している私とは対照的に、みんなは面白くて仕方ないという風に笑っていた。
「気を付けて」
「神崎くん助けてええ」
「…面白いからそのままで」
神崎くんの肩が震えてる。完全に笑いをこらえているヤツだこれ。
月子ちゃんは手を叩いて爆笑してるし、灯雅は呆れを隠すことなく「早く帰んな」と私たちを追い払う仕草をした。
部屋から出る際、師匠は思い出したように立ち止まった。
「祓い屋の小僧。なかなかの演技だったぞ」
…演技?
「順応力は花丸だな。ちなみにお前たちの夢の世界に入るために、利用させて貰ったのは蛟だ」
「そうなの!?」