[完]大人の恋の始め方




「僕は、美麗のマネージャーの片山です。杏里ちゃん!是非、芸能界デビューをしてみないかい!?」



興奮気味の彼を、あたしはまじまじと見る。



………あのー、何を言ってるのだろうか?



芸能界…デビュー…?



んん!?!?



「えっと、片山さんでしたっけ?何言ってるんですかッ?!」



あたしが芸能界なんて、無理もいいところだっ!!



「何って、そのままですよ?是非、我が会社に入って下さいっ!」


「いや、無理無理無理!!ほんとにごめんなさいっ」



あたしが、どんなに断っても、彼は諦めてくれない。



どうしよう…!?


優斗さん……は、忙しそうだ。


一人でアタフタとするが、状況が変わるわけでもない。



「杏里ちゃん!!一緒に芸能界に旋風を巻き起こそうっ」



いやっ、ほんとにムリー!!!!



そう思った瞬間、あたしの前に影が掛かった。


「片山さんっ悪いんだけど、杏里ちゃんは、芸能界には入らないので」



「何故だ!?」



助けてくれたのは、優里花さんだった。



「何故っていうか、悪いんですけどあたしは、芸能界に興味ないし…」



優里花さんの後ろに隠れながら、訴える。



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