[完]大人の恋の始め方
「あの…、優斗さん。あたし…」
そこで言葉に詰まる。
だって、優斗さんは絶対あたしを馬鹿にするし。
あたしもモデルが出来るような子じゃないの分かってるし。
「ん?」
優斗さんは、そんなあたしの目線まで、腰を下ろしてくる。
「あの…あたし、優里花さんの会社の、専属……」
「専属?」
なんか、モデルって言うのも恥ずかしいっ!//
「モデルになりました……」
ごにょごにょっと、小さくなった声。
聴こえて欲しくないけど、伝わって欲しい。
それは、我が儘かと思ったが、優斗さんを見て、伝わったのが確認出来た。
その大きな目を、全開にしているのだ。
「あの…優斗さん?」
やっぱりおかしいよねー…。
「お前、それ本気か?」
ホラきた。
どーせ、お前なんかじゃ無理だ。とか言われる。
でも、とりあえず頷く。
「姉貴。どういう事だ?」
下を向いているあたしには、表情は見えないけど、真剣な声って事は分かる。
「急でごめんね?でも、一目見たときから、彼女は我社のモデルにしたいって思ってたの」
………はい?!
それ、さっきのくだりと違くない!?
「それにしても急過ぎないか?」
「たまたま、ちょっとしたトラブルに巻き込まれて、話が早まっただけ。いつかはスカウトするつもりだったの」