[完]大人の恋の始め方
「とりあえず、帰るぞ」
あたしは、優斗さんに手を引かれる。
あたしは、何も言わずに優斗さんに着いていく。
「姉貴も。一緒に来て」
優里花さんは驚いたように、着いてくる。
帰りの車の中は、無言で気まずかった。
家に着くと、ソファーに座らされる。
その隣には優里花さんが座る。
そして、目の前には優斗さんが立つ。
怒ってるかなぁ?
「なぁ、姉貴。何考えてる?」
だけど、予想とは裏腹に、優斗さんは優里花さんを睨んだ。
「あら、姉をそんなふうに睨むの?」
「俺は、なんで杏里なんだって、聞いてんだよ」
優斗さん。
そんなに、あたしがモデルになるのが嫌なんだ。
なんか、不細工もスタイル悪いのも分かってるけど、やっぱりショックは受けるなぁ。
「随分と、杏里ちゃんが大切なのね」
優斗さんに睨まれてるのにも関わらず、優里花さんは笑みを崩さない。
てゆーか、優里花さん。
どうやったら、そんな考えに辿り着くんですか?!
「俺の飯が無くなるのが嫌なんだよ。第一、モデルってのは、聞こえはいいが、結構な体力勝負だ。姉貴はそれが良く、分かってるだろ」