[完]大人の恋の始め方
はぁ??
「あれ、演技だったの?!」
あたしは、思わず杏里を睨む。
「ゴメンってぇ。…あ、嘘付いてたね。上手く話せないって!」
あどけない表情を見せる友美に、頬が緩む。
「ふふっ。……友美、あたしの事、拒絶していない?」
あたしの言葉に、ポカンとする友美。
「なんで拒絶すんのよ~?ヒロ先生と付き合うとか、友からしたら羨ましい限りだし?」
友美の言葉に思わず苦笑する。
そうだ。
友美はこういう子だ。
あたしを受け止めてくれる。
「もぉ、友美ったら!」
友美はふふっと笑い、あたしに抱き着いた。
「やっと分かったぁ。やけ酒したあの日から、ずっと気にしてたんだよ?」
友美の笑顔に吊られ、あたしも笑顔になる。
「なんだか、すっきりした!友美、ありがとう」
その後、あたしと友美は、他愛もない話をして1時間サボった。
「ほんと羨ましいなぁ。ヒロ先生が元カレなんてッ」
教室に戻ってもなお、ずっとその話をする友美。
「もう、止めてよ~」
あたしの反応を、明らかに楽しんでる友美。
ほんとっ
いい性格してるよ!!!
「友美のバカ」
「バカとは何よう!!」
こんなじゃれ合いも、なんだか新鮮に感じた。