[完]大人の恋の始め方
入学生
放課後、あたしは友美とカフェに来ていた。
「友美がバイト休みなんて、珍しいねぇ」
頼んだココアを飲みながら、友美を見る。
「久しぶりのオフ~!てか、ケーキ美味しいッッ」
彼女は、大きなパフェを、口いっぱいに入れる。
「久しぶりのオフ、あたしとでいいの?」
あたしもイチゴタルトを口に運ぶ。
「ほかに誰と過ごすわけぇ?」
「近藤先輩」
あたしの速度に、笑い出す友美。
「さすがに、友は杏里といた方がいいんだから♪」
「ほんとかよぉ~」
と、食べはじめた時…。
「あ~ッッ!!近藤先輩!」
ダメじゃん!!!
あたしより先輩じゃん!!!
思わずフォークを落としてしまった。
「ちょっと、友美言ってる事違う!!」
彼女はと言えば、カフェに入ってきた近藤先輩に釘付け。
「あれ?友杏ちゃんじゃね?」
近藤先輩の友達らしき人が、あたし達を見る。
……うっわぁー。
どこまで、知られてんのよ?!
あたしは、彼らから視線を外し、タルトを再び食べ始める。
「ちょっと杏里~!近藤先輩がこっち見てる~!!!」
キャハキャハしている友美を見て、やっぱりこの子はこんな子だと、感じた。
も~、あたしの感動を返してよ。