[完]大人の恋の始め方
優しい男
はぁ、変なの見ちゃったな。
「どうすんのよ、これから…」
トボトボと歩いていると、某有名会社のマンションの下まで来ていた。
あたしも、こんな所に住めたらなぁ。
てゆーか、家に帰りたい…。
あたしは、溢れ出した涙を必死にこらえた。
でも、とうとう流れてしまった。
「ねぇ、泣いちゃってどうしたのぉ??」
「え?」
見れば、これまたチャラチャラしている人。
香水はキツイし、気持ち悪い。
たしか、前にもこんな事あったなと思いながら、さりげなく逃げる。
「逃げないでよ~♪」
「そうそう、俺たち怪しくないからぁ♪」
いやいやいや、十分怪しいでしょ!!!
あたしが逃げるのに、手こずっていると、車が隣に横付けされた。