[完]大人の恋の始め方
「ねえ、友美?どういう…」
あたしが割って入ると、彼氏さんはビックリしたようにあたしを見る。
「え、いたの?!」
「いましたッ!」
失礼なやつだなぁ。
失礼なやつだけど、普通にカッコイイ。
奥二重なのに、重くない少し大きめな目、高い鼻、薄い唇、色白のきめ細かい肌。
ダークブラウンを基調とした髪は、いくらか明るい茶のメッシュが入っている。
「あんた、名前は?」
彼は、足を組んで、あたしをじっと見る。
「名前を聞くときは、まず自分からです」
男の人って、怖いんだけどこういう事、たまに言っちゃうんだよね…。
たぶん友美がいるからだけど。
「へぇ。意外と言うねぇ。俺は、真中 計(まなか けい)」
「あたしは、松本 杏里です」
って、自己紹介じゃなくて!!!
「友美!全然話が読めないんだけどッッ」
あたしは、友美の腕をギュッと握る。
「はぁ!?説明めんどくさい」
ちょっ…友美ちゃーん。(泣)
クスッ
鼻で笑割れた事に驚き、張本人を見る。
真中くんは、可笑しそうに口元を緩めている。
「杏里ちゃんのために、俺が教えてあげるよ?」
彼はいきさつを話し出した。