[完]大人の恋の始め方
そして始まった1年生歓迎会。
もう入学して何日も経ってるんだけど、特に接する機会もなくて、見たことない顔ばかり。
「ねぇねぇ!イケメンとかいるかなぁ!?」
開会式中にも関わらず、後ろでツンツンしてくる友美。
「知らない。あたし年下興味ない!」
いや、全般興味ないけど…。
ちょっと冷たく当たると、友美はすぐにいじける。
「杏里、いつにもまして冷たい~!!」
あーもぉうるさいっ!!
キッと友美を睨めば友美は、へらぁと笑うばかり。
力抜けるよ、ほんと。
「ねー友美。たぶん、男子見てる暇ないよ?」
開会式も終わり、バレーのウォーミングアップをしながら友美に言う。
「え、なんで?」
友美の返しに、あたしはある人物を指差した。
それは、大翔先生と熱心に作戦を練る現役バレー部の子。
同じクラスで、勝負事は絶対負けたくない子。
「たぶん、超しごかれると思うよ?」
あたしの苦笑いに、友美も同様に浮かべる。
「ありえなーい!!」
さっきから、うだうだしている友美だが、スパイクはさすがだ。
もとエースだけあって、文句を言いながらも鋭角なスパイクが撃てている。
身長小さいのに凄いね~。