[完]大人の恋の始め方
運動神経
彼が立ち去ったあと、多分皆、聞きたい事が、さぞ沢山あったらしい。
しかし、さっさと練習しろ!って睨んでくる現役ちゃん。
…正直、怖いっす♪
って、おちゃらけてる場合じゃない!!!
キツイ練習が終わると、暫しの休憩に入る。
「やっばい!!友ら、中学生みたい!!」
と、笑いながらスポーツドリンクを飲む友美。
「と言いつつ、元気ね。友美は…」
クラスメートはかなり息が、上がっている。
「ん~、バイトのおかげ?」
友美は、そんな事言ってるけど違う。
友美は、長距離もかなり得意なんだ。
全く。
短距離も長距離も速いって、どんな足してんのよ。
「てゆーか、杏里も息上がってないじゃん」
「えー?まぁ、ブロック跳んだだけだし…」
と、答えると、隣から掠れた声がした。
それは、もう一人のセンターさん。
「…いや、杏里ちゃん。…ブロックは……かなりキツイ………よ?」
息乱れ過ぎやん!!!
あ、なんで関西弁?
「ほらー、もう試合なるよー」
くじ引きをしてきたらしい現役ちゃんが、あたし達に声を掛ける。
その声に、あたし達は反応し、立ち上がる。