[完]大人の恋の始め方

運動神経





彼が立ち去ったあと、多分皆、聞きたい事が、さぞ沢山あったらしい。



しかし、さっさと練習しろ!って睨んでくる現役ちゃん。



…正直、怖いっす♪



って、おちゃらけてる場合じゃない!!!



キツイ練習が終わると、暫しの休憩に入る。



「やっばい!!友ら、中学生みたい!!」



と、笑いながらスポーツドリンクを飲む友美。



「と言いつつ、元気ね。友美は…」



クラスメートはかなり息が、上がっている。


「ん~、バイトのおかげ?」


友美は、そんな事言ってるけど違う。


友美は、長距離もかなり得意なんだ。



全く。
短距離も長距離も速いって、どんな足してんのよ。



「てゆーか、杏里も息上がってないじゃん」


「えー?まぁ、ブロック跳んだだけだし…」


と、答えると、隣から掠れた声がした。



それは、もう一人のセンターさん。



「…いや、杏里ちゃん。…ブロックは……かなりキツイ………よ?」



息乱れ過ぎやん!!!


あ、なんで関西弁?


「ほらー、もう試合なるよー」



くじ引きをしてきたらしい現役ちゃんが、あたし達に声を掛ける。



その声に、あたし達は反応し、立ち上がる。



< 130 / 500 >

この作品をシェア

pagetop