[完]大人の恋の始め方
「え、バレた??」
てへっと笑う友美だけど、そんなの許さない!!
あたしは、軽く友美の頭を叩いた。
「いった~い!!」
「軽くしか叩いてません」
「杏里の軽くは痛いの!!激痛なの!!」
「じゃあ叩かせないでよ」
友美をムッと睨めば、シュンとしてしまう。
………っもう!!
「友美、痛かった?」
ちょっと心配して頭を撫でると、友美は満足そうな顔を、あたしに見せた。
あんのっ糞友美~!!!
「ククッ。お前ら楽しそうだな?」
楽しくないわよッッ!!
そう口にしようとして、飲み込んだ。
当たってるから。
「あ、計くんもバスケやってるとき、楽しそうだったよ!経験者?」
あんなに上手なんだ。
分かりきった質問しちゃったかなぁ?
「いや?俺は体育程度にしか、やってないぜ?」
真顔で答えた彼。
……体育程度?
授業でやっただけで、うちのエースが負けた?
うっそー!!!
「え、本当に!?」
「嘘付いてどうすんだよ」
確かに…。
すっ凄い。
「じゃあ、あんなにバスケが上手なのは、単に運動神経がいいだけ?」
「そゆこと。ほら、バレーも試合始まんぞ」
あたしは驚きつつ、試合に挑んだ。