[完]大人の恋の始め方
「~で、エースが負けちゃったんだよ」
あたしは、夕食もお風呂も全て終えて、優斗さんとのんびり話していた。
もちろん、話題は計くん。
「へー。計ってやつは凄いんだなぁ」
「うん。ほぼ初心者でうちのエース倒すとかね…天才!」
なんて笑っていると、優斗さんは立ち上がる。
優斗さんって、中肉中背だからTシャツがよく似合ってる。
ちらりと見える鎖骨とか、何と無く男の人独特の色気を感じる。
「ところで、杏里はどうだったんだ?」
オレンジジュースを冷蔵庫から取り出しながら、あたしに尋ねる。
「ふふふ♪もちろん、優勝だよーッッ」
優斗さんにブイサインを見せれば、フッと口角が上がるだけの微笑みを見せた。
「なんなの~、その笑みはッッ!!!」
「いや?」
全ッッ然いやじゃない~!!!
思いっ切りなんか思ってるよ、あの人!!!
「なんだよ?ジュース飲みたいのか?」
あたしは子供かーッッ!!!
とは、思うけど……
「飲みたい…」
やっぱり欲しかった。