[完]大人の恋の始め方
優里花さんって、意外と力が強い…。
「あっ、ごめんねぇ!でも驚いたわ!急に表情が変わるんだものっ」
「あたしも驚きました!多分、優斗さんのおかげだと思います」
あたしは、写真を確認している優斗さんを見る。
「へー、優斗の。」
あたしは、カッコイイ優斗さんの横顔に見とれて、気付かなかった。
優里花さんが面白そうな笑みを浮かべていることに。
それに気付かないまま、撮影は終わりとなった瞬間、優里花さんがもうひとつのドレスを持ってきた。
「最後にこれお願い♪」
それは、男女がペアになったトランプをイメージして作られたドレス。
これまたクビレが象徴されたような形になっていて、着こなしが難しそうだ。
「それ、男は誰が着るんだ?」
優斗さんが不思議そうに、タキシードを触れる。
「もちろん、優斗よ?」
優里花さんは、面白そうに優斗さんを見る。
「はぁ?!何いってんだよ!着ねぇよ」
嫌がる優斗さんを余所に、強制的に試着室へ。
「あのっ…優里花さん、なんで」
「ん?面白そうだと思ったからよ♪」
単なる思い付きですか。
優里花さんの行動力には、呆気を取られるばかりだ。