[完]大人の恋の始め方
「ん?いいのか?」
と、極悪な笑みを浮かべたまま、どんどん近付く唇。
その時、さっきまでの事が一気に思い出される。
「だだだだめ!///」
あたしは、力一杯彼を払いのけた。
「フッ。まぁいいか。公開キスは、そのうちな♪」
「絶対しませんっ!!///」
あたしは、急いで部屋に戻った。
全くもう!!///
なんであんな恥ずかしいこと、軽々と言えるのよ!!///
着替えを済ませると、ふたたびスタジオに戻る。
「あっ♪杏里ちゃん、今日はありがとね☆」
「あ、はい」
ペこりと頭を下げると、渡される封筒。
「これは?」
尋ねても、微笑むだけの優里花さんを不思議に思いながらも、封筒の中を見る。
出て来たのは、写真。
しかも、今日撮ったものだ。
「初お仕事の写真、記念にあげようと思ってね♪」
って…ほとんど優斗さんとの写真じゃないですか……。
「ありがとうございます」と、苦笑いを浮かべながら写真をめくっていくと、1枚だけあたし達が笑い合っている写真があった。
たぶん、撮影の合間だと思う。
あたしって、こんな顔して普段優斗さんと接してるんだ……。
「あれ…?」