[完]大人の恋の始め方
もしかして、あたし…
「あら、気付いた?」
面白そうに笑う優里花さんに、コクリと頷く。
「気付きます。まさか、こんなに
優斗さんと撮ると、表情が豊かになるなんて」
最初に撮ったものと、最後を比較すると良くわかる。
さらに言うなら、1人から2人になった所なんて、歴然だ。
「さすが、優斗ねぇ。杏里ちゃん、これからも頑張ってよ♪」
「はい…」
優斗さんって、昔どんな表情でモデルやってたのかなぁ?
今日1日で、あたしはモデルの仕事にかなり興味が沸いた。
そして、優斗さんにも…。
「おい、帰るぞ?俺を待たせるなよな」
後ろに来た優斗さんを見て、苦笑いを浮かべる。
どんだけ俺様なのよ?
「杏里、今日の夕飯カレーがいい」
「え?じゃあ、スーパー寄ってね?」
あたし達は、二人で廊下を歩いて行った。