[完]大人の恋の始め方
「おっ屋上…」
「嘘!今見てきたんだからッッ。さっさと答えなさいよ!」
とっ友美さん…。
恐すぎます………。ハイ。
「体育館だよ」
響くんは諦めたように、そういい、通話を切った。
ちょっとちょっと響くん!?!?
あたし、隠れてる意味がなくなるんですケド!!
焦った表情で響くんを見れば、彼は白い歯を見せて、ニカっと笑った。
「俺に任しとけっ」
それだけ言うと、響くんはバスケットボールを取り、倉庫から出て行った。
その直後に聞こえてきた足音。
2人?…3人?
とりあえず、複数人はいる。
友美ったら誰を連れて来たのよ!!
「ちょっと響!!!杏里はドコ!?」
友美の怒鳴り声が聞こえ、目をギュッとつぶる。
「えっ?!つか、誰!!??」
明らかに、動揺した響くんの声が聞こえる。
「ほんと困ります!」
そう声を張るのは、大翔先生。
なんで大翔先生がいるのよーッッ
友美のバカー!!!
そう思った瞬間、倉庫の扉が開いた。
ヒーッッ!!!友美バカとか言ってゴメンね~!!??
あたしは、必死に息を潜める。
が、次の瞬間、あたしの身体は抱き上げられた。
「見付けた」