[完]大人の恋の始め方
家に着くと、あたしは真っ先にベッドに倒れ込んだ。
おかしい!!
本人の意見が、まるで尊重されないなんて、人権損害よッッ!!
とは言っても…
あんな夢語られちゃったらなぁ…
なんも言えねー…。
あたしは、抱きまくらであるクマのぬいぐるみを、ギュッと抱きしめた。
そういえば、前にもこんな事あったなぁ~。
たしか、小学校3年生の時かなぁ…?
両親がいきなり海外で住むとか言い出して、急過ぎてお別れも言えなくて。
あの時、凄い泣いたなー。
けど、結局1ヶ月で帰ってきたんだよね。
しかも夏休みだったから、普通に旅行みたいだったし。
それに、宿題が終わんなくて泣いたなー…。
我ながら、昔から波瀾万丈だな…。
そういえば、あの頃ママが言ってたな。
この子はモデルにするんだって。
あたし、専属モデルになっちゃったよ。
ママ、知ったらどんな反応するのかなぁ?
てゆーか、今どこにいるんだろ?
そんな事を考えていると、瞼が重くなってきた。
やばい…
寝ちゃダメだよ…
ご飯作らな…きゃ…
あたしはそこで意識を手放した。