[完]大人の恋の始め方




どれくらい寝ていたのだろうか?


携帯の着信音で目が覚めた。



「…ふぁい?」



相手も見ずに出た電話。
しかも、寝起きだったから、呂律が回らなかった。


先生とかだったらどうしようかと思ったが、それは大丈夫だった。



「あ、杏里ぃ~!もしかして寝てた?」



相手は友美だ。


「うーん、寝てた…」


「うっそ!寝んの早くない!?」


……ふぇ?


あれ、まだ4時だよね…?


「え、昼寝だけど…」


「は?!もう9時だよ?」



…………なぬー?!?!


あたしは、急いで自室を飛び出した。



そしてリビングに駆け込む。


「…あれ?」


リビングに優斗さんの姿はない。



もしかして、怒って寝ちゃった?!


いや、明日まずいよ、ソレ!!


絶対怒られる…!!


「もしもーし?杏里、大丈夫?」


「え?!あ、うん。ヤバい…」


明日、生きていられるかどうか…。



「ヤバいって言えばさぁ、優斗さんってヤバいイケメンなのねーッッ」


…今、優斗さんの名前を出さないでくれーッッ



「いや、顔だけだからっ。あたし、明日生きていられるかどうか…」


その瞬間、後ろから嫌な気配がした。



< 155 / 500 >

この作品をシェア

pagetop