[完]大人の恋の始め方
そこで言葉を摘むんだ。
あたし…何言ってんの?
俯いちゃったから、優斗さんの表情も分からない。
あたし、どうかしてる。
「なぁ、杏里」
優斗さんの透き通る声に、ぴくんと肩を上げる。
「それってヤキモチか」
屈み込み、あたしの顔を覗き込む優斗さんは、意地悪顔をしていた。
「なっ?!///違うもんッッ」
ヤキモチかの"か"の後に?もないって、どうゆう事?!
ヤキモチ決定なわけ!?
「その様子だと、ヤキモチすらまともに分かってねぇな」
……ゔ。図星。
「わかんねぇのに、なんで違うってわかんだよ」
「何となくー…」
ピロピロっ
ビックリして顔を見合わせる。
あたしの携帯の着信音だ。
……友美からだ。
多分心配してくれてるんだろうなぁ。
「出たら?」
彼はそれだけ言うと立ち上がり、心無しか足取りを踊らせながらリビングに戻った。
不思議に思いながらも通話ボタンを押す。
「はい?」
「あっ!杏里ィ~」
どうやらガチで心配してくれたようだ。
なんか、ごめんなさい。
「何があったの!?」
いくらか息が荒れている友美を不思議に思いながら「それが…」と、言いかけた時だった。