[完]大人の恋の始め方
「杏里ちゃんって、年いくつ?」
高杉さん…今、関係ありますか??
「16歳ですけど」
「え??あっ―…16歳かぁ」
だいたい、あたしの年を聞いた人はこんな反応をする。
それは、あたしが年に合った顔をしていないから。
たぶん、大学入学とかと思ってたんじゃないかな。
今制服でもないしね。
「16歳ねぇ~…通りで」
「発言が子供すぎました?」
すると、高杉さんはフニャっと笑った。
「そうだね。俺と同い年か1コ下かと思ってたから」
「え、高杉さんって…」
「21歳だよ?」
………つまり、成人してると見られたわけか。
「成人してたら、自分で部屋決めます」
あたしは、ムッとして高杉さんを見た。
「うん。だから変だなぁって思って」
そう言いながら、あたしの頭を撫でる高杉さん。
「でも、16歳とは思えないくらい、綺麗だ。杏里ちゃんを見立てるのは、難しそう」
え?と高杉さんを見る。
「何しても綺麗だから迷う」
なんて言うもんだから、あたしは俯いた。
初めて、嬉しい事言われた。
今までは、ただ老けてるとかしか言われなかったし、綺麗って言われても、お世辞うるさいって思ってた。
だけど、高杉さんはちょっと違う。
なんでかな?