[完]大人の恋の始め方
申し訳なさそうに、優斗さんが割り込む。
「いいけど…、その前に服着て下さい」
……あ。
どうやら彼は、あまりの急展開過ぎて、服を着るのすら忘れてたらしい。
彼は、そそくさと服を着ると、友美の顔を覗き込んだ。
「友美ちゃんは、どうやってここまで入って来たの?」
優斗さんの甘ったるくて、何とも言えないキラキラスマイルを友美に浴びせる。
あ…めちゃくちゃいらいらする。
なんか、前にもこんな事あったな。
「えっ//あの、管理人さんに言ったら、普通に入れてくれました」
………は?
「ウチの管理人は何やってんだ?」
優斗さんは、眉を潜めて呟く。
ここの、完全セキュリティの意味がない。
まぁ、友美で何よりだけど。
「それよりだ。杏里」
「はいっ」
急に名前を呼ばれ、背筋を伸ばす。
何だか、凄ーい嫌な予感がするんだもん。
「計と響ってのは、誰?」
あー、まだ気にしてたんだ。
「計くんは、後輩。響くんは、タメで、先生の相談に乗ってくれてた人…」
てゆーか、なんでそんなに気になるわけ?
「じゃあ、何もねーの?」
「あるわけないです!」
そう叫んだ瞬間だった。