[完]大人の恋の始め方
「友美、人の話聞いてた?!そんなんじゃ…」
「うん。聞いてる。カレカノではないんでしょ?」
なんで分かってるのに、変な事聞くのかなぁ…っ
「うん。あくまでも、同居人」
と、あたしの返事には興味がないようだ。
なんなんだ!!
「でも、杏里は優斗さんに惚れてるでしょ?」
…………。
暫しの沈黙。
互いに見つめ合う。
「…は?」
やっと出たのは、この一言。
「はって酷いなぁ。好きなんでしょ?」
「誰が?」
「杏里」
「誰を…?」
「優斗さん」
………はぁぁぁぁあ?!?!
「え、何?もしかして無自覚?」
妙に落ち着いた様子の友美。
対して、あたしは立ち上がって赤面していた。
「無自覚もなんも、そんな事一回も考えた事ないよ…」
友美は大袈裟にため息をつく。
何?
あたしが、優斗さんの事を…?
嘘……
「まぁ、無自覚ならしょうがないんじゃない?じっくり確かめれば。はい、この話おしまーい!」
はっ?
え?
あまりにも、早すぎる回転に頭が着いていかない。
「友は、聞きたい事あんの。わかる?」